


我が国の地震と地震災害は世界の約1割だという、マグニチュード6以上は世界の20%、国土は0.25%とのことだ。最近は日本だけでなく世界各国で大きな地震災害が発生している。
地震を工学的な目で見たのは1891年の濃尾地震である。1919年には最初の近代的な建築法規である市街地建築物法が制定された。1923年の関東大震災に至って初めて建築設計という考えが生まれ、1924年市街地建築物法が改正され初めて耐震規定が盛り込まれた。その後は、地震災害(関東大震災、新潟、十勝沖、宮城県沖及び兵庫県南部地震)と耐震設計の改善の繰り返しの歴史である。既存建物の耐震性に目が向けられたのは宮城県沖地震からで、我が国の防災対策もやっと最近、既存住宅の耐震性に本腰を入れ始めた。これには二つの意義がある。
後者は特に地球温暖化や二酸化炭素問題にも関係し、木造住宅をうまく利用することが求められている。 地震で尊い命を失った我々の責務は、二度と同じ災害を引き起こさないということで、同じ過ちを犯しては、人類に叡智がなかったという汚点を歴史に残すことになる。 地震調査で疲れはてて束の間の休息を大阪でとり、また神戸に出かける日々を送り、震災の惨たらしさと、震災を受けない平和を強く感じたことがある。 最近は東海地震から南海・東南海地震の懸念も大きくなってきた。関西地域の地震防災の向上が望まれ、『人・家・街 安全支援機構』が大きな力となることを祈念します。
平成16年1月17日
宮澤健二
宮澤 健二 (工学院大学建築学科教授)